平安日記

平安日記#6〈藤原道喪古(ふじわらのみちもこ)記〉

前回の道喪古記↓ virus-levis.hatenablog.jp いついつの日にかありけるにや、除目(※1)ありとて、道喪古、いずこの土地を任せられむにやと意気込みけり。かの国が良し、かの国には行きたくもなしなどと思ひつつ、遠き任地のまだ見ぬをとめに思いよせ、よな…

平安日記#5〈藤原道喪古(ふじわらもみちもこ)記〉

前回の道喪古記↓ virus-levis.hatenablog.jp #5 いついつの日にかありけるにや、道喪古、蛇兄徒(じゃにいず)になりたきこと限りなしとて、履歴書に年二十、身の丈六尺、優なる面にて、学問にも優るれば大学の試験では満点以外とりける事はなし、とひがごと書…

平安日記#4〈藤原道喪古(ふじわらのみちもこ)記〉

前回の道喪古記↓ virus-levis.hatenablog.jp#4九月十日のあかつき、道喪古、庭に出でて空を見るに、光りたる椀めきたるもの、宙に浮きてゐたり。寄りて見るに、一すぢのかげさして、中から道喪古の、緑なる面したる、出で来けり。 道喪古いとおどろきて、「…

平安日記#3〈藤原道喪古(ふじわらのみちもこ)記〉

七月二十二日、道喪古の泣きけることいとうるさし。大納言殿その由を聞き給へば、「幼き人が我がかいもちを食べつる。楽しみに取り置きたりつるものを」と言ふ。 七月二十三日、道喪古また泣きけることいとうるさし。大納言殿由を聞き給へば、「幼き人に双六…

平安日記〈藤原道喪古(ふじわらのみちもこ)記〉

夏近づきて、蚊の鳴く声聞こゆ。道喪古の、まぶたに刺されて赤う腫れるもいとをかし。